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何か成功している事例に学んで、成功した何かとは正反対の場所を目指すと、時々うまくいく。

逆転の発想はシンプルに過ぎて、もはや陳腐ではあるけれど、こうしたやりかたの肝は「逆であること」それ自体ではないのだと思う。

成功しようと思ったところで、「成功」という問いは広すぎて、解を探そうにも、どこから手を付ければいいのか分からない。

成功は、失敗以外の場所にあるのはたしかなのだろうけれど、失敗事例の逆側を探したところで、成功に行き当たるとは限らない。

反対を発想するやりかたは、新しい何かを作るときの常道だけれど、成功した何かの反対をどれだけ一生懸命考えたところで、同じ土俵で「反対」で勝負を仕掛けても、成功者に勝てるわけがない。「反対の発想」は、だから必ず失敗する事例でもあって、これで成功しようと思ったら、売りかたや見せかたをゼロから発想しないと意味が無い。

反対を発想することの意味というものは、逆であることに価値があるわけでなく、普通にやれば必ず失敗が待っている何かを成功者の反対側に見出して、「ならばそれをどう見せれば成功するのか」という、制限された問いを手にできることにあるのだと思う。

「どうすれば成功できるのか」という問いに、明確な答えを出せる人はたぶん少ない。ところが明らかに失敗しそうな特徴を備えたプロダクトを前にして、「どこなら売れそうなのか」、「どう見せればいいのか」を考えてもらうと、「苦肉の策」がたくさん生まれる。

制約はアイデアを生む。逆転の発想というものは、自由すぎる「どう」という問いに対して、「成功の逆」という価値軸による強力な制約を付加する試みなのだろうと思う。

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